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第120段  洋行のすすめ


円安、観光産業の振興などにより、海外旅行が一般化。
異国の特別感。
非日常の世界を味わう。

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異国が遠い国であった、平安時代初期。
最澄と空海は、遣唐使として異国で学び、思想や文化を一変させた。
これほど異国が重大な意味を持った国は、稀有。


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刺激や影響の大小こそあれ、未だ、洋行が重要な意味を持つ。
異文化体験は、慣れ親しんだ日常生活に楔(くさび)を打ち込む。
新たな風を呼び、「もの」を変化させ、住む人独自の新たな文化を創造させる。
異なる文化の融合は、新たな文明を築き上げる。
決して大げさな言葉ではない。
今なお、洋行の意義は、深い。
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第119段  「ミシンの音」を聞かなくなった日


若かりし頃、母は、洋服を縫って家計を助けた。
学校から帰ると母のミシンを踏む音を聞きながら、おやつを食べ、宿題をした。
夕食が終わるとまた、ミシンの音。
その頃になると、父が会社から帰る。
毎日、同じことが繰り返された。

飛行機


高齢になった母は、ミシンを使うこともなくなった。
日常に溶け込んでいた、ミシンの音。
家計を助けるために、朝に夕にミシンを踏んでいた姿。

当たり前であった平凡な日々が、どれほど尊かったかを教えられる。
「何でもない毎日」は、平安をもたらした。
ミシンの音がしなくなった時、当時を懐かしみ、ミシンの音の尊さを悟る。

第118段  ノティングヒルを歩きながら・・・


イギリスのノティングヒル。

映画の場面に登場する街並やカフェ。品のある骨董店。洗練されたブティックやレストランも多数存在する。
警官は、アスファルト道路を馬で見回る。
ディズニーに登場する同種の犬を連れ、花を買う夫人。

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何処を切り取っても、「おしゃれ」。何と高貴な事か。
テレビや雑誌で紹介される「おしゃれ感」は、街に満載。


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「おしゃれ感」を掻い摘み、家庭に持ち込む。
統一感は、テレビや雑誌等で紹介された品々等。
他者が切り取る「おしゃれ感」は、家庭に持ち込まれた後、それぞれの主張をする。
優先することは、自分自身が切り取ること。
切り取られ、捨てられた部分が、必要かもしれない。

第117段  「火追い」は、夜の魚とり 


真夏の夜。
魚は動かず、岸辺に寄る。
カーバイトの「燃える音」と「灯り」。
独特の匂いは、夏の記憶。
日中、日差しに照らされた水面(みなも)
川風に吹かれ、「漁」と「涼」を楽しむ。
静かに進む。
動かない魚。
頭より少し下を銛(モリ)で突く。
この地方では、「火追い」と呼ぶ。
翌日に「醤油と氷砂糖」で煮込む。

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美味しさは、「氷砂糖」。
突いた魚の感触、川に素足で入る感覚、魚を追う視覚。
多くの人は、「良いことだ」「子供を連れて行きたい」と言う。
その筈なのに、「火追い」は、見られなくなった。
多様化は、「火追い」を追いやる。
しかし、それだけが、原因なのだろうか?

第116段  異国で感じた「一人ぼっち」


焼き物の街、バッチャン村は、陶器に携わる人達で華やぐ。
バイクは、人の背丈ほどある花瓶を荷台に括り付けて走り去る。
原料の土を運ぶ人、買い付けの人、店を構え、お客を待つ店員などなど。
人それぞれ。
「駕籠(かご)に乗る人、担ぐ人、そのまた草鞋(わらじ)をつくる人」そんな言葉を思いつく。

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生活者は、集団社会をつくり当たり前の毎日を過ごす。
企業などに勤務する人達は、仕事・会食・飲み会等を通して同士となる。
ツーリストの眼に映る光景は、人は皆「様々な中」の一人。
異国を一人彷徨する寂しさから「一人ぼっち」を意識したのだろうか。
陶器産業と言う枠でくくられた人々から「一人ぼっち」が浮かび上がる。
浮き彫りにしたのは、異国の持つ潜在力。

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第115段  蜩(ひぐらし)の声にせかされ、家路を急いだ日

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晩夏、死期迫るカブトムシ。
木々の樹液に集い、頻繁に姿を見かける。
何故か、死期迫ると、隠れるのをやめ、人目を引く。
死期との関係は、ホントなのだろうか。
小学校の時、カブトムシを売って小遣いにしていた同級生がいた。

木の陰


蜩が鳴く夕方、数匹捕ったカブトムシを見せた。
「今は捕れるよ」と言った。

夏が終わろうとしている夕暮れ時、蜩の声に追われるように家路を急いだ。
夏の終わりは、子供心を不安定にさせた。
何故か、カブトムシが捕れたうれしさより、蜩にせかされて、心細く夕暮れ時の家路を急いだ日が懐かしく思い出される。

夏休みが終わってしまう切なさは、静かに忍び寄る秋の気配だった。

第114段  そんな気がする


私の祖母に当たる母の親は、若くして亡くなった。
その祖母の死を真正面から見据えた母たち。
「時」と言う、力にも支えられ、ふっと力が抜け、目をそらした。
その時に母の兄が言った言葉。

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「俺は、胃痛を病んでいたが、お袋が天国に一緒に持って行ってくれた。だから、今は、胃の痛みがない。」
この言葉は、親を亡くして落ち込んでいた母を含めた兄弟を救った。
他者が聞けば、何でもない言葉。
その言葉は、ふっと力が抜けた時に口から出た。
人の言う、悟りを開いた瞬間。
そんな言葉が、最も近い。
悟り?そんな気がする。
母親を見ていると、そんな気がする。

第113段  夏の忘れ物は、見つかりそうにない


秋の気配を感じると、もの思いにふけり、人恋しくなる。
やり忘れ感を伴い、心ざわつく。
透明な秋の気配。
透明感は、戸惑いを連れ、夏を追いやる。

木の陰


秋色。
朱色が白色に代わる。
うだるような暑さを運んだセミの声は、白い空気が吸い込む。
虫の音は、涼しき夜に響き渡り、「寂しさ程」を伴う。
赤とんぼは、山から下り、群れてざわめかず。
日焼けの肌は、場違いの色。
やり残した夏は、秋の不安を募らせる。
秋の始まりは、夏の終わり。
夏の忘れ物は、見つかりそうにない。
百日紅 4

第112段 人は、「土性」に浸され、土地に生かされて生活する


アウトドアが高じ、キャンプ場以外の箇所にテントを張る。
設置する場所は、安全、便利、快適等。
1つのエリアで一番初めにテントを張る人は、おそらく、同じ場所を選ぶ。
人は皆、最適な場所が解る。
良い場所にテントを張った者は、様々な恩恵を受ける。
その場所の良さを受けて過ごす。

春 南アルプス1


住宅も同じ。
周りの環境に左右される。
良し悪しは、その土地の「土性」。
土地の良し悪しは、「土性」に左右される。
人は、その土地本来の「土性」を知らぬ間に享受する。
恐ろしいことに「土性」の良し悪しは、人の良し悪しを決める。

大げさな話ではない。
それぞれの宗教は、「聖地」を持つ。
聖地を巡礼し、「土性」を養う。
私の居住地は、昔から、土地柄が良い。あそこは、水が良い、などの表現がある。
これは、土地が人に与える「土性」を意味する。
人は、「土性」に浸され、土地に生かされて生活する。

第111段   昔、付き合った彼女


昔、付き合った彼女を、街で偶然見かけた。
その人は、今でも輝いていた。
素直にうれしい。
離れたところから見かけたが、変わらぬ笑顔が印象的。
その時、「久しぶり」と声を掛けたら、「久しぶり、元気」と返って来そうだった。
過去は、振り返っても仕方ない。

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彼女の「輝き」は、どのようにして生きて来たかの足跡。
何時までも、素敵な女性でいてくれてありがとう。
心の中で、そう呟いた。
プロフィール

はせ 鱗人

Author:はせ 鱗人
外人と間違われることシバシバ。
趣味は、魚釣り。幼少から父親に連れられ魚と戯れた。骨董収集、主に絵画、陶磁器
出身学校 明治大学商学部

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